老朽建物の再生をはかって街の防災にも寄与し、助成金も受給

最近、防災絡みで古家耐震の話題も多く聞かれるが、中央区平野町に助成金をうまく活用しながら老朽物件の再生を行ない、街全体の防災にも役立てるというコンセプトで事業を進めている株式会社ユナイテッドワークスという会社がある。
最近の事例では、木造２階建て12戸、建築から40年近くの物件の例がある。
オーナーは、物件が古くなり空き室が増えてきたので、建て替えも含めて今後の活用を悩んでいた。
しかし、建て替えには大きな資金が必要で、しかも建て替え後の入居率も心配だった。
そんななか同社は、資金面については国土交通省の助成金を活用し、建て替えではなく耐震も含めた改修改装工事で建物のリニューアルを提案した。
いま国では人命を守る為、古い建物の耐震改修工事を行うように呼びかけて、市町村が窓口になり、一定の要件を満たす戸建住宅や共同住宅の耐震診断や耐震改修を行う際に、その所有者等に対して診断や設計、回収工事に要する費用の一部を補助している。
今回の事例は、地域や行政が望むような古家の耐震補強を実施することで、町の防災に寄与するとともに、物件オーナーに対して財政支援になるようなスキームになっている。
同社では賃貸物件の場合、リフォーム後、建物を一括借上した上で、家賃保証する家賃保証制度も実施している。信用補完のために損害保険会社とも損害保険契約を締結し、物件オーナーに安心感を与えている。
今後は相続物件を含めて、耐震改修が必要な物件をてがけることで町の防災にも役立てればと考えている。代表者の赤松氏は、「古い物件の持っておられるオーナーの悩みを解消するお手伝いをするとともに、防災という街の安心安全づくりに寄与できたらうれしい。」と語る。
同社の発展を願うとともに、今後この事業がどうなっていくのか注目したい。（中央支部）
（※ニューズレター262号（発行：大阪商工会議所）より抜粋）