ニューズレター2008年11月号（発行：大阪商工会議所）に掲載されました！！

○「逆転の発想」で高付加価値ベルトを少ロット生産

株式会社タイヨウは工業ゴム・プラスチック製ベルト加工品の販売商社として、1976年に創業。「価格競争に明け暮れる商社では飯が食えない」と小林氏は考え、樹脂コンベアの普及にともなって加工業へと転身を図ってきた。「大手メーカーの傘下に入ると制約が生まれるので、小さいながらもずっと独立独歩の営業を続けてきました。今やどのメーカーさんも、ベルト作りで困ったらうちの門をたたきます」とのこと。
そのため同社には、メーカーの生産ラインでは技術的に作れない、採算も合わない特注ベルトの注文ばかりが舞い込む。業界では「ベルトの駆け込み寺」と頼りにされているだけに、引き受けた仕事が「できない」は禁句。「出来る方法を考えろ」と、自らが技術開発部長として,部下に発破をかけ続けている。
同社の名を一躍高めたのが、独自の押し出し成型技術を駆使したギャップレス加工だ。従来は突起物をベルトに取り付けるには、熱融着しか方法がなかったのだが、それではベルト本体と突起の間に段差や隙間ができるため、汚れの付着要因として衛生面に問題があった。同社はギャップレス加工により、その問題を解決。現在、魚類養殖場や食品工場、遊戯機械の分野で、同社のギャップレス成型ベルトが高いシェアーを誇っている。
モットーである「逆転の発想」で、大手ベルトメーカーから頼りにされるオンリーワン企業を築き上げた同氏は2003年に「素人が組み立てられるベルトコンベア」というユニークな発想でコンベアキッドを開発、食品産業機器功労賞を受賞している。
「人と同じことを考えていたらダメ。今年も設備投資も積極的に行い、攻めの営業に出るつもりです」。さらなる高みのオンリーワンを目指すつもりだ。（住之江・住吉支部）