心的外傷後ストレス障害(PTSD)とトラウマについて

現代では、トラウマ(心的外傷)という言葉を誰しも使うようになったような気がします。「このあいだ課長に言われたあの一言がトラウマになって・・・」「付き合っていた彼に、最後に言われた言葉、それがトラウマになっていまも忘れることができない」など、心の傷を言い表すためのポップな表現になったのです。庶民の間に広がったという意味で、とても良いことであると思います。ただ厳密に言えば、トラウマは重篤な精神病理を発症する原因です。その心の病というのは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)です。

PTSDは誰でも発症し得る心の病であり、自然回復が可能です。しかし、一部の人たちが慢性的な経過をたどりますから、何らかの心のケアが必要になってきます。その場合には、自然な回復プロセスを損なわないような、その人にとっての心の自然に優しいケアが重要になってくることでしょう。

トラウマになってPTSDを発症させる可能性があるのは、とてつもなく恐ろしいと感じられる体験です。地震の多い日本だとそれに伴う津波や家屋倒壊などによって生死の境をさまようような体験をした人に発症する可能性が高いですし、DVなどによって暴力に晒されたり、レイプ被害にあったり、児童虐待が日常的にあった人たちに症状が現われるはずです。直接的に手を下されないとしても、たとえば大切な誰かが恐ろしい目にあっている場面を目撃したり、想像したりするだけでも、PTSDは十分に発症する可能性があります。

心的外傷後ストレス障害のセラピー、つまりトラウマのセラピーには、さまざまなものがあります。昔ながらの語りによるナラティヴ・セラピーがまず考えられるでしょう。断片的な外傷性記憶を語りによってつなぎ留め、ひとつの体験として再構成するわけです。それから、EMDRやTFTといった、俗にパワーセラピーと称される特殊なものもあります。眼球運動やタッピングを使うもので、どうして効果があるのか、その作用機序を説明するのはなかなか難しいのですが。また、ソマティック・エクスペリエンシング療法など、身体へのアプローチを中心としたセラピーも有望です。語りではなく、身体に直接的に接近することによってトラウマを癒そうとするものです。

いずれにせよ、PTSDは回復可能な病です。専門機関に相談することをおすすめします。ぜひ、リンク先の記事をお読みください。

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