老後の生活や相続で困った時に、税理士からの解決のヒント

”年老いた親の医療や介護の問題が出てきたが、自分や家族の生活もあるので簡単に面倒を見るという訳には行かない。困っている。”
”相続をきっかけにして、兄弟仲がおかしくなった。ただでさえ、親戚付き合いも少ないというのに。”

こうした悩みごとは決して珍しい話ではありません。早晩、どなたもが経験を余儀なくされる話です。この種の問題と無縁に過ごす奥の手でも有れば良いのですが、ちょっと難しそうです。なるようになるさで放って置けば、恐らくどうにもならないでしょう。尤もこうした問題には幾つかのパターンがあります。問題が生じる原因に応じて、予め適切な対策を講じて置けば、悩みの度合いも多少は軽減される筈です。

Ⅰ 公的年金や介護保険制度は何れ縮小される懸念があります。不動産の流動化を進め自己年金の形で老後の生活資金を前広に手当する必要があります。

Ⅱ 欧州経済不安や震災への懸念で、金融や不動産市況の先行きが見通し難い状況にあります。大切な老後資金をどう運用すれば良いか。安全性が優先されるのは言を待ちませんが、一方インフレリスクにも配慮する必要があります。その為には、中長期の景気判断と個々の商品特性の理解が欠かせません。

Ⅲ 遺言による財産の指定分割、共同相続人による協議分割の何れを採っても、民法の規定や故人への寄与度を無視した分割案は揉める原因となります。

Ⅳ 税法に適合した突飛な節税策などありません。相続税には、遺族の生活保障や景気対策に配慮した軽減策が幾つか有りますので、この適用要件や手続きを良く理解し、最大限に活用することが重要です。夫々の制度やプランには負担やリスクが伴うものも有りますので、その辺りも良く理解しましょう。

ⅴ短期に納税資金の調達が必要となるため、物納や相続財産売却を余儀なくされることがあります。一般に収納価額や利子税・所得税等で不利になります。